検索
  • cherrybravo2001

「知覚」力を向上する前に身につけておきたい哲学的態度  フッサールの「現象学的還元」

更新日:8月30日



今日は、個人の知覚力の向上こそが、観光振興の源泉となりうることをお伝えしている4回目となり

ます。

なぜ 知覚力が重要なのかは以前のブログをご参照ください

https://note.com/cherrybravo/n/n8769be25e95a


これから観光振興に取り組もうという若い方々にお伝えしておきたい最も重要だと思っていることを述べます。

それは、集客ターゲットを「都内のファミリー」とか、「インバウンド向け」などと安易に決めちゃう前にやっていただきたいことです。

まずは言わば「ターゲットは自分」にしちゃうことです。

「なんだ、当り前じゃないか?」と思われた方は要注意です。

実は、そのように考えている人がとても少ないのが現状なのです。

ここ1年ほどでも30人ほどの若い方と講義や会議で接しましたが、これを意識している方は一人もいませんでした。

そうなっている背景は、推測して前回ブログに書いていますので、よろしかったらご覧ください

https://note.com/cherrybravo/n/nc2320980379f


自分をターゲットにするとは、「地域資源に対峙した際に、自信をもって「自分だったら面白いと思うか否か」をしみじみと感じる」ということにつながります。

この自覚が強ければ強いほど、その後に続く観光振興の諸段階を力強く推進していけます。


そうありたい、と思ってくださる方に、ぜひ知っておきたい哲学的態度をお伝えします。

それは、「現象学的還元」という態度です。

現象学的還元は、19世紀末から20世紀前半にかけて独自の「現象学」という学を打ち立てたエドモンド・フッサールの哲学の中心をなす考え方で、後に現象学は、多くの後続の哲学者の思想に影響を与えておるので、ここを知っておくことは必ず将来の助けになるところが大きいと思います。

彼の著書は日本語にも翻訳されているので、読んでいただくのはおおいに結構ですが、難解です。そして、わりと、もたもたしている(笑)。

また、解説書も沢山出ていますが、たぶん、ほとんどの解説書では「何を言っているのか、わからない」状況になってしまうと思われます(私もそうでした)。


私がみなさんに最もおすすめしたいのが、竹田青嗣さんの『現象学は〈思考の原理〉である』(ちくま新書 2004年1月10日発行 ㈱筑摩書房)です。見事にあの難解なフッサールの著書を読みこなして私たちにわかりやすく伝えてくれていると思います。以下は私の解釈による現象学的還元から、私たちが学べることをお伝えします。


■前提として

① ものごとを見るには、「主観」と「客観」がある。

② 大切なのは「主観」である。(その理由はここでは割愛します。ご興味のある方はフッサールの「相互主観性」という概念をチェックするか、当方が観光振興の現場で活用するに至った下記ブログに掲載している例からご理解ください)

https://note.com/cherrybravo/n/nbb4f7f11545a


③「主観」を知るには、あるものごとを見るにあたってわざと「主観」的と「客観」的に見てみて、それによって得られた2つの見方の違いを知っておく(いくつか例を出す)

③ こうして取り出された「主観」の在り方をじっくり味わっておく


■「現象学的還元」の行い方です

こうして抽出された「主観」の在り方を感じながら 以下3つのことを味わう。

(けして「客観」的な見方に逆戻りしないでください。一番いいのは口の中で、「私は〇〇」「私にとっては〇〇」「(私が)好きなのは〇〇」と、唱えてからイメージしてくれるとしやすいです。)

便宜的に、知覚の向かう対象をAとします。

Aは、なんでも好きなものをイメージしてください。なるべく「好きなもの」のほうがこの後の思索がしやすいです。

① Aを味わうために、自分がそのAの一部一部を触ったり、匂いを嗅いだり、見たり、耳を澄ませたりしているところを想像する。

② 一方で、Aそのものの全体像を頭の中で思い出す。部分ではありません。全体像です。

③ その全体像としてのAを想像した時に、その背景をイメージする。背景とは、自分がAをイメージした時に、文字通りイメージしたAの像の後ろ側に見えてくるものです。つまりあなたがイメージしたAが置かれている場所(世界)のことです。


以上です。

意外に簡単だったのではないでしょうか?

この③で現れた背景を仮に(B)としましょう。


この②で行なったA全体に対するイメージ、そして、③で現れたBを大切に考えて行く。日常世界では①の行動が多い中で、あえて②で得たA全体像とBをいつも意識して課題に対処する。

それが「現象学的還元」をするということです。


以上、今日はこのあたりで。次回はさらに論を進めたいと思います。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。


現象学的還元を成立させるために先立つ、世界の捉え方である「相互主観性」については、著書『まちの魅力を引き出す編集力』の204ページから観光振興に活用した具体例を出していますのであわせてご覧ください。

(㈱同友館発行 1760円)

amazonのPageです↓

www.amazon.co.jp/dp/4496055414

内容 観光業を指向している方が、「自分の考え」を大切にしながら、地域の魅力を創出して、集客を成功させるための一連のナレッジを現場体験をもとに紐解いた『まちの魅力を引き出す編集力』を2021年6月に上梓いたしました。

いずれもその企画者・実践者でしか伝えられない内容ばかりを集めていますので、どうぞご覧ください。

■お知らせ

地域の観光行政、観光振興団体(観光協会、DMOなど)向け

地域の観光振興の「担い手作り」と「体験型観光プラン作り」を同時に行なう令和4年度版『コンサルティング型プログラム商品』をリリースしました。

〇詳細はこちら↓(A4で16枚)

https://note.com/cherrybravo/n/n5c9d1cbaee97

〇プログラム商品価格表ございます。

メールにてお問い合わせください。お送りいたします。

cherrybravo2001@yahoo.co.jp

写真は 広島県福山市の福山城。先週末改修が終え盛り上がっています!


閲覧数:7回0件のコメント