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  • cherrybravo2001

【体験型観光プランの作り方】 物語化ができない時、どうしたら「感動」は作れるのか?

感動体験。 なんだか、とてつもなく喜ばしい文字面ですよね。 お客さんとしたら、「感動できる」っていいことばかりなのですが、 仕掛ける方としては、「どうしたら感動させられるのか?」とかなりきつい仕事になるのが常です。 それは、感動とは、「おもしろかった」レベルではなくて、「最高だった」と涙を流すほどの質であるに違いないからです。 予算も潤沢にあるのでしたら、感動要素はいくらでももってこれるのはあたりまえ。 ここでは、そんな金満企画ではなくて、いかにお金を使わずに、感動体験を創造するかを考えてみたいと思います。

まず、感動を作るには「物語」「ストーリー」が不可欠と考えている方も多くいると思います。しかし、私はこの風潮に疑問を感じています。私自身は脚本家でもあり、プロデューサーとしての仕事が多いので、芝居にせよ、プロジェクトにせよ、物語は必須でありますので、必ず作っております。しかし、こと「体験型観光プラン」の内に限っていうと、「物語化」を精一杯していても、なかなか感動にはいたらないことを多く見てきています。 それはなぜか? それは、物語は「起承転結」でとりあえずできるものの、そこからうまれる「感動」とは、そこに巧緻があってはじめて生まれるように思うからです。つまり難易度が高い。ともすると「物語」を作ったはずなのに、単なる「自慢話」「無駄話」になってしまっている可能性もあります(笑)。

これが、企画プロデュースのような仕事をする現場に入ると、さも当然のように「物語化」「感動」という言葉が飛び交ってしまいます。そして、その結果、眼の前の事実・物事を「理解しよう」とする本来必要な必態度が失われ、いかに「物語化」するかに頭がとらわれてしまい、結果、現実だけがもつ迫力が削がれ、事実と乖離され、「あざとさ」だけが感じられる創作活動になってしまいます。

なかでも、ただでさえ、経験が乏しい(物事と向き合ってきた経験が少ない)、年が若い、キャリアが浅い人ほど、袋小路に入ってしまうのです。

「物語化しなきゃ」「感動させなきゃ」。ってですね。

この脅迫観念をきれいに消し去って、もっと別の、企画者自ら実感がともなうような目標をもっておこうよ、というのが私の提案です。 「物語化」ではないけど、より実感できる、人間のセンスに訴求しませんか?ということです。そこから、「感動」レベルに磨き上げて行きませんか?という地道な活動の提案です。 ■感動を5つにわける 具体的には、感動を5つに分解してしまい、「感動を生み出そうなんて大上段にかまえるのではなく、時間の流れの中で、それら5つのうちのどれかを生み出す時間として繰り出す」と考えるのです。「感動」に行く前にそれぞれの場面で「感慨」を生み出すイメージです。 「感動」に向かうその5つの「感慨」。そのもととなる「感情」とは ① おもしろい ② 楽しい ③ うれしい ④ おいしい ⑤ きれい です。これは、私の考えですので、企画者それぞれで独自に考えてくださるといいと思います。そして一度設定したら、体験型観光プランの実施時間の中で、予約から集合、説明、実施などなど、それぞれの場面の中で、それを体験している参加者に対して、どの感情を生み出すか、どんな感慨を持たせるか、と考え、その方向で磨き上げればいいのです。全体としては「感動」に向かうのですが、一度にバッターボックスに立てる選手は一人ですよね。つまり、ラインナップがあって、1番バッター、2番バッター・・・とそれぞれで、 楽しませる役、嬉しがらせる役・・・と、それぞれに狙いをもたせたらいいわけです。

たとえば、レストランの場合、それぞれはどんな機会とポイントで適うでしょうか?

おもしろい・・・和食の食材を使ったパスタ (例:めかぶ納豆ペペロンチーノ) 楽しい・・・サーブの仕方に演出を施す(そうめんを流す「流しそうめん」。派手なパ  フォーマンスでカクテルを作る「ジャグリング」などなど) ③ うれしい・・・自分が食べたい魚をいけすの中から選びだせる注文方式 ④ おいしい・・・味わい ⑤ きれい・・・・盛り付けや、美しい食器などの登場、インテリア、BGMなどで整えた    お店が放つ世界観そのものまで

体験型観光プラン作りでもこれは同じです。

予約受付時➡集合➡あいさつ➡説明➡見学➡体験➡一休止➡鑑賞➡記念撮影➡振り返り➡解散 など。それぞれのフェーズにおいて、上記①~⑤のどの感情創出装置を入れ込むか、という発想です。 予約受付時には、「うれしい」という気分をもってもらうため、「当日サプライズも用意しています」とか「お申込みされた日はちょうど●●が見れますよ」などと、+αの情報をお伝えするんです。 集合時には、「きれい」という感慨をもってもらうために、紅葉と神社のコントラストが美しく見えるところを受付スペースにして、受付している時に、お客様が絶景が眺められるように位置取りをしておく などですね。 こういう細かい積み重ねをしていくと、やがて参加後に「感動した」なんて思ってくれるんですね。 「感動させる」ではなく「それぞれのフェーズで5つの感慨のどれかを強めるための工夫」をしましょう。 そこで生まれる「感動」は、きっと、5つの因子が組み合わさりブレンドされた感動になるので、「感動」に加えて、それを作り上げてくれた(実際あなたがすべて作り上げているはずです)主催者に対しての、「感謝」をも含んだ「満足感」をともなった「感動」になっていると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

体験型観光プランの作り方などをまとめた初の著作を出しました。 『まちの魅力を引き出す編集力』(㈱同友館 270ページ 1760円) 地域に入り込んで実践してきた観光振興の数々とそこから得られた実践術を豊富に掲載しました。地域のために観光振興をしたいという方にぜひ読んでいただきたいと思います。写真はその中でもご紹介されている私自身がガイド役を務めた「まちあるき」の様子です。https://www.doyukan.co.jp/item_055416.html


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